チョコが無くなると、お兄さんは腕時計を見た。 「もうこんな時間か。俺は大丈夫だけど、君が大丈夫じゃないね。そろそろ帰った方がいいよ」 「うん!」 そして公園の入り口で、私達は別れた。 お兄さんは送ってくれると言ったけど、家は近かったしまだ夕日が見えていたから断った。 今を思えば、もう少し一緒にいれば良かったなんて思うけど。 後から、お兄さんの名前すら知らない事に気が付いた。 次の日、その次の日も私は公園に足を運んだ。 けれどもそれきり、あのお兄さんに会う事は出来なかった。