せいぜい二次元限定だろうヤンデレは。
カニバリズムしゃれならん。
そうですかと包丁置くインキュバスは私の前で正座した。丁度、Aの横に。
「インキュバス、淫夢を見せる以外にいったいどんな能力があるのぅ?」
「ツンデレ、ヤンデレになれる要素があるだけで十分だ」
「まあまあ、知りたいじゃないぃ。何せ、本物の悪魔が横にいるんだからぁ」
つんつんとインキュバスをつつくA。
インキュバスは動じずに、Aの質問に答えた。
「俺は下級の悪魔です。淫夢を見せるぐらいしか能力は……。咲。咲は嫌ですか、こんな俺」
なんかうじうじし始めたぞ、こいつ。
「嫌じゃないよ、別に」
「本当ですか!」
「本当も何も、嫌いにはならない……かな」


