向かうは台所。
何故か包丁を装備して。
「愛しているよ、咲。世界で一番」
んがっ、と開いた口塞がらない状態私にインキュバスは詰め寄る。
「だからね、俺。咲の全部が欲しいんだ。心も体も全部全部。
だから考えたんだよ、どうなれば欲しいものが手に入るかって」
虚ろな目玉が私の体を舐めまわすように見る。
「食べちゃえばいいんだ。そうすれば一つになれる。ねえ、どっちがいい食べるのと食べられるの?
俺は咲に食べてほしいよ、全部ね……」
「万能すぎんだろ!」
完璧ヤンデレ。
愛しているよとデレ状態かと思えば、病み真っ盛りの言動をする。
パーフェクト、イッツア、パーフェクト!
「咲、気に入ってくださいましたか」
「気に入った、私はどちらかと言えばヤンデレ派なんだ!でも現実でやられるとまじ怖いから包丁を置け!」


