「ずび、ぐびぃぃ。ぐす、っと。にしても、これでインキュバスは咲ちゃんの命令なんでも聞くって分かったわねぇ。ゴミ箱どこ?」
鼻をかんだ奴にゴミ箱を渡す。
「ありがとうぉ。さあ、咲ちゃん。次はどんな命令をするの?」
「命令って……」
ぱっと出ない。
そりゃあ誰かに命令することがないからな。
イケメンでやりたいこと……、あー、思いつかん。
見ればヒントを思いつくかと思い、インキュバスをじいと見た。
「咲、咲。何でもご命令を」
尻尾をふっているのを連想するたたずまい。
犬耳萌えさえも幻覚で現れた。
ん、待て待て。
萌え、だと。
「あんた、本当になんでもこなせるんだよね」


