―――…。 ガチャ。 屋上の扉は、すんなりと開いた。 「開いたね」 『うん。開かなくてもこじ開けるし』 「だよね」 扉の先には、雲ひとつない青空とこの辺一帯の街並み、灰色のコンクリートがあった。 「「風気持ちいい~」」 梨沙と重なる声。 考えてることが似てるから、こんなことよくあるけど。 あたしと梨沙は、柵のそばへ行って座った。