朝だから、廊下にはたくさんの生徒。
その生徒たちを交わして、とりあえず逃げる。
逃げる理由は…
「ちょっと待ってよー」
後ろからアイツが付いてきてるから。
ホンットにしつこい男。
あたしは歩くスピードをあげた。
―――……
『はぁ…』
あたしはアイツから逃げて、屋上への階段のすぐそばにある空き教室にいた。
息を整えて、座る。
『しつこいんだよ、アイツ…』
本当に一夜の双子…?
って疑いたくなるくらい180度違うアイツ。
――ガラッ
「見ーっけた」
嬉しそうにあたしを見るのは、麻生静夜。
『…チッ』
思わず舌打ちしたあたし。
急いで立ち上がり、反対側のドアから逃げようとした。
「おーっと、ストップストップ」
肩を掴まれて、動きを止められた。
『離して』
おもいっきり睨んでやった。
「俺さぁ、話があってきたんだよね」
『あたしにはない』
「まぁそうカリカリしないで、一回聞いてよ。朝日や一夜や、梨沙ちゃんにも関わる話なんだからさ」
そういったコイツは、ニヤッと笑った。
梨沙・朝日・一夜に関わるといわれちゃ、逃げるわけにもいかず…。
結局あたしは話を聞くことにした。