『ねぇ朝日』 「んー?」 『今日の昼休みさぁ、時間くれない?』 あたしが朝日を誘ったことに、梨沙は驚いている。 同時に、気まずい顔もしてる。 たぶん、あたしの言葉がまだ残ってるんだと思う。 “梨沙に朝日は渡さない” あの日の、言葉が…。 「あー、いいけど」 『じゃあさ、お昼食べ終わってから屋上の階段前にね』 「おう」 そして、教室に着く。 勝負は、昼休み。 もうこれに賭けるしかない。 これでダメなら、今度はもっと本気で怒るからね。 覚悟して、梨沙――…。