――ガタンゴトン…。



揺れる電車の中、携帯の横のボタンを押して時間を確かめる。


『3時半…か』


学校を出てから一旦寮に戻って、必要最低限の荷物を持って出た。


梨沙に何も言わないで行くのにはやっぱり罪悪感があった。

だから、置き手紙を残した。


【梨沙へ
この土日、帰らない。心配しないで。
砂希】



…今思うに、梨沙はあたしなんかの事心配してくれるのかどうかわからない。


“心配しないで”


なんて書かなきゃよかったかな。



寮を出た後は、家へ帰るバスを探して時間まで待つ。


駅までバスで行って、また家へ帰る電車を探して時間まで待つ。



……その繰り返し。




で、今乗ってる電車はさっきのりかえた2本目の電車。




《次は~駅、~駅です。お降りの方は~…》




車内放送が流れた。


家に行くにはここで降りて、たぶんまたバスだ。




プシュー。


電車のドアが開いて、あたしは電車を降りた。