「お、悠奈」

 ん?今の声は誰?このちょっと心地よいトーンの声は誰ですか?

「やっぱ藤崎か。もしかしてあたしの隣?」

「あったりー♪悠奈の隣だったら英語教えてもらえるからよかったよかった」

「単語とは教えないよ。めんどいし」

「大丈夫!文ぐらいしか聞かないと思うから」

 藤崎って頭良かったっけ?この前の実力テスト確か300人中288位だよね。

頭良い分けないか。あたしはまぁギリギリ99位。英語は100点とってるからいいとして、数学は図形が大の苦手なんだよね。ずばり30点。やばい、これはあたしのママに殺される。

「今日はもぉ何もやることないから帰っていいぞ。あ、藤崎と愛咲は残れよ。とゆうことでかいさーん」

 っち、やっぱ居残りか。帰るときはきっとお昼過ぎてるよなー。

直樹に待ってもらうのは可哀想だし。ゆずは絹川と帰っちゃったし。

今頃ラブラブだな。むかつく!あたしだけこんなことされて。

遅刻したのはしょうがないじゃん!よっしー先生のドアホ!

「なぁ悠奈?」

「ん?」

「今日一緒に帰らね?」

「別にいいけど来未はどうするの?」

「いやただ単に俺の片思いだし」

 藤崎が片思いねぇ~。そういえば来未の好きな人一度も聞いたことないもんな。

あんな可愛いのになんでだろ。興味ないのかな?

ま、うちには関係ないことだしいいか。

「あ、もしかして藤崎絹川と一緒に帰る約束したけどゆずと帰っちゃったから帰る人がいなくてさみしい・・・とか?」

「よくわかったな。あ、俺もわかった。悠奈もそうだろ」

 う、いわれた。まるであたしが友達少ないみたいに言われてるみたいでムカムカする。

「違うもん」

 見栄っ張りの悠奈きた。だって藤崎ひどいし。意地悪!あほー。

「いや嘘言ってもわかるから」

「わざと間違えたんだよー」

「あそ」

「冷たっ!ハゲーーーー」

「俺ハゲてないよ!」

「お前らいい加減にしろ」

 怖い。恐ろしい。よっしー先生からこんなオーラでてるのこえぇ。やばいって!

誤ったほうがいいのかな?でもあたしそこまで悪くないし。