【悠奈side】
 ちょっとぎこちない足取りで教室に向かう。

あたしは今日から中学2年生。

まだまだお子ちゃまだけどちょっとは大人になれたかな?
 
 2年2組。あたしがこの一年間ここで生活することになる場所。

ゆっくりドアに手をかけて横にスライドさせた。
 
 『ガラッ』と一年生のときと変わらない音が耳に聞こえる。

ほぼみんな知らない人ばっかりだけど、友達いっぱいつくってやる♪

「おっ悠奈♪また一緒のクラスだな」

「そーだね♪」 
 
 今話しかけてきた男子は一年生のとき同じクラスで仲がよかった藤崎!

ゆずとは違うクラスなのかな?

「ゆーうーな」

「わっ!びっくりした。ゆずか」
 
 ゆずこと秋川ゆず(アキカワユズ)はあたしの親友。

ハーフだから髪が本当は金髪だけど目立たないように茶髪にしてるんだ。

目もクリクリで茶色だしあのプルプルの唇がかわゆい。

「クラス違うけど遊びに行くからね♪」

「うん!」
 
 あたしとゆずは廊下に移動してしゃべってたけどなんかいつもとゆずが違う気がする。

なんか、顔真っ赤だし目なんか泳がして。

ん~、頭の中が『???』だわ。

「ねぇ悠奈?あの・・・ね」

「ん?」
 
 じれったいなぁもう。すごいモジモジしてる。

「あたし・・・彼氏ができたの!」

「・・・・・Pardon?(失礼ですがなんとおっしゃいましたか?)」

「だぁかぁらぁ彼氏ができたの!」

「・・・うそぉぉぉぉぉぉぉぉん!!」

 はいこういうパターンきた。

でも彼氏って、まさかの彼氏って。

「うぅ・・・ゆず裏切った」

「だって告られたんだもん」

「誰に?」