駿を見ると、深く頷いた。




大丈夫らしい。





あたしは、手を降ろして、一歩下がった。





「手を汚すって…ひどい言い草ですね?」

「あんたのその自信はどこからきてる?」

「さぁ?父のおかげとでも言っておきましょうか?」

「せやけど…そのお父さん、なーんにも無くなってしもたで〜?」

「…は?まさか…!!」

「そ。青山会潰させてもらいましたぁ〜。」





その時、初めて青山奈津の焦る顔を見た。




宇佐と宝は青山会の方を潰してたのか…。





「そんな…。」

「これで…あたしの周りの人間も攻撃出来なくなったな。」

「うそだ…。」





崩れる青山。




少しかわいそうになったけど、同情は無用だ。





「戦うか?」

「そんな気分じゃない…。」

「だよな…。でも…あたしの勝ちだ。殴ったからな。」

「そう…ね…。」





あんまりスッキリしないけど…。




勝ちは勝ち。





「優衣、ここは喜んでいいところだ。」

「そうか…。よし!汐莉おかえり!」

「ただいま。」





その時、後ろで誰かが起きあがったのをあたしは気づかなかった。




駿たちと話してると…。




「うぁぁぁぁぁ!」

「え…?」





青山会の倒した奴が1人、あたしに向かってきた。





一瞬痛みを感じて…。




みんなの声がした。





「優衣!!」





駿の声だ…。




そういえば、また今回も駿に助けられた。




あたしを見つけてくれてありがとう。




そこであたしの意識が途絶えた。