「あーっ!もぉっ!」

妄想がどんどん膨らんでいく。
可愛い彼女がいるかもしれない。もしかしたら一緒に住んでいるかもしれない。

だけど、初めて会った時、大切な人に似ていると、彼は言った。
もしかしたら彼女はいないかもしれない。でも、今でもその彼女が好きかもしれない。

「よし、こんなとこで一人であれこれ考えてもわかんない!」

深幸は起き上がると、財布と携帯を手に取り、バタバタと家を出て行った。