ちょうどテスト写真を撮り終えたところで、遅刻していたモデルの子が到着した。

「あ、来たみたい」

深幸が言うと、政宗は少しだけムッとした表情になり、深幸をぎゅっと抱きしめた。

「何してんの」

政宗は別に、と呟いた。
彼が少し拗ねていると察した深幸は、思わず零れそうになるため息をぐっと堪え、政宗の方に向きなおる。

「早く終わらせてよね。じゃないと、コウと二人でご飯行っちゃうよ」

その言葉に、政宗は眉間に深いシワを作る。

「私は、政宗とご飯食べたいんだから。早く終わらせてよね?お兄ちゃん」

すると、政宗はさっきまでの険しい表情から一転、満面の笑みを浮かべた。