あれこれ話をしているうちに、玲子に言われたマンションに到着した。
エントランスで言われた部屋番号を入力して、呼び出しボタンを押す。

『はい』

女性の声。たぶん玲子だろう。
深幸が伊達です、と答えると、今開けるから、という言葉と同時に、入口のオートロックが開いた。
エレベーターに乗って、該当階まで行くと、そこには部屋が4部屋しかなかった。

「あ、ここだ」

言われていた2102号室の呼び鈴を押すと、少しして、玄関のドアがガチャっと開いた。

「いらっしゃい。迷わなかった?」

迎えてくれたのは玲子だった。

「はい、大丈夫でした。携帯もありましたから」

「そっか、よかった。どうぞ入って?」

『お邪魔します』

二人はそう言って、中に入った。