家に帰ると、部屋には電気がついていた。
玄関には男物の靴が二足。政宗がコウ辺りを連れて帰ってきたのだろうと思い、ただいま、と言って、家の中に入る。

「あ、深幸ちゃんおかえ」

「深幸、どこに行ってた」

コウがおかえりと言い切るより早く政宗が怒った様子で深幸に聞いてくる。

「買い物」

もしかしたら政宗が帰っているかもしれないと思っていたので、少し離れた場所にあるスーパーで買い物をして帰ってきたのだ。

「こんな時間までか?」

ピクリと眉を動かして政宗がまた聞いてきたので、気分転換に散歩もしてたから、と答えると、政宗はなにも言わず、じっと深幸を見つめる。


どっちも本当のこと。
嘘は言ってない。


深幸もじっと政宗を見つめる。
と、コウが笑った。

「深幸ちゃんは財布しか持ってないじゃないか。これじゃ遠出はしてないって」

にっこりと笑って言うコウに、政宗は深幸の格好をもう一度見る。
確かに、鞄などは持っておらず、財布がスーパーの袋から見えているだけだ。

「…遅くなる時は連絡しろといつも言ってるだろ。スーパーだろうがコンビニだろうが、外が暗くなってたら俺を呼べ。いいな?」

はぁい、と返事をすると、あまり納得はしていないようだったが、なんとかこの場が収まったので、深幸はホッとする。

「深幸、晩飯はパスタがいい」

政宗の言葉に、深幸はわかった、と頷いてキッチンに向かった。