ベランダでぼうっと景色を眺める小太郎を見ながら、玲子は嬉しそうに彼を見つめた。


初めて私以外の人に興味を持った。
これは大きなことだわ。


今までにも、小太郎に連絡先を渡してくる人間はたくさんいた。

だが。

先ほどの玲子の問いに対して、今までの人達については、必要ない、の一言で終わっていたのだ。中には、考える間すらなかった人もいる。


だけど今日、初めて『わからない』って答えた。これはきっと、何処かではまた会ってみたいと思ってると思っていいはず。


「どうかしたのか?」

部屋に戻ってきた小太郎に聞かれて、玲子はなんでもないよ、と笑った。