「えと…ごめんなさい」

深幸が謝ると、小太郎は首を傾げた。

「なぜ、謝る?」

不思議そうに深幸の顔を見つめる小太郎。深幸は恥ずかしくなり、思わず顔を俯けた。

「だって…私のせいで、お仕事」

言うと、小太郎は首を横に振る。

「玲子も言っていただろう。今日はもう、仕事は終わっている。気にするな」

その言葉に、深幸は小さく顔をあげた。
相変わらず小太郎は無表情なままだが、深幸はそれでも、小太郎が決して嘘を言っているわけではないということだけはわかった。

「ありがとう」

小さく笑う深幸。
小太郎はちいさく、あぁ、とだけ答えた。