一面木々に囲まれた緑の中。 空は蒼く澄み渡っていて、空気がひんやりと心地いい。 僅かな風の音を聞きながら、当時7歳だった俺は彼女を呼んだ。 「――――」 何て呼んだのか覚えていない。 でも白いコットンのワンピースの裾をひらつかせながら 俺よりもずっと小さな彼女は笑った。 夏の太陽にも負けないきれいで輝かしい笑顔だった。 思えばあれが俺の最初で最後の恋だった―――