「何をイライラしてるんや」



元ちゃんも続いて入って来る。

この気持ちを言える筈がないのに、元ちゃんは「言え」と言う。



「…言ったらあかんねや…」



私が背を向けたまま答えると、頭に手を乗せて来る。



「私の気持ちも知らんで、なんやの――ッ!!?」



私は元ちゃんに振り返りながら叫んでしまう。

優しくされる度に、私は引かれてしまう。

自分が情けなく思う。

“子供です”と、アピールしてるような気がして。

元ちゃんは目を見開いて、私を見る。

私は溢れそうな涙を手で隠した。