体育の授業が始まると、急に見学を申し出た來未ちゃんは、元ちゃんにべったり。

私と由香里はバドミントンのラケットを持ちながら座り込み、元ちゃんを見る。

元ちゃんの隣には、私の名前は知らない男子と打ち合う米倉が居る。

…殴りたい…。

今まで人を叩いたり、蹴ったりした経験はないけど、今、初めてこんな衝動に駆られた。

悔しさが募ってる。



「大和を信じとっても、山崎來未は信用ならんね」



「ホンマやな」



私はラケットでシャトルをポンポンとして気を紛らわす。

“近付いて欲しくない”と、強く願う。