私が校長に話を進めようとすると、「失礼しまーす」と、聞き慣れた声が後ろからした。

振り返れば、悠陽が私と同じ白い封筒を持って現れた。



「校長先生。コレも受け取って」



悠陽が校長に渡した封筒には、これまた私と同じように“退学届”と書いてある。

私が悠陽を見上げると、元ちゃんは「それも“退学届”か?」と、呆れたような表情で言った。

悠陽が頷けば、元ちゃんは「はぁ…」と、頭を抱えた。

悠陽の担任である岡江先生は、「ついてけへんぞ…」と、呆然としてる。



「…私たち兄妹は、今まで2人で生きて来ました」



校長は私の話を、優しい表情で聞いてくれてる。