「そっか!せやけど、彼氏は居て安心した。傷、癒してくれたんやろ?」



出穂も、榛陽の事を知ってる。

私は強く頷いた。

怖く泣いたりしても、元ちゃんの隣が好きで、元ちゃんをもっともっと知りたいとも思う。



「彼氏って存在、大切にしないとダメやね。私、元カレとゴタゴタしてさ、今の彼氏が助けてくれたんで。22歳で就職したばっかで忙しいのに、“会いたい”と言えば、会いに来てくれて…」



出穂は目を閉じ、幸せを噛み締めてる。

“会いたい”と簡単に言えたら、どれだけ気持ちが楽だろうか…。

“会いに来てくれたら”、どれだけ幸せなんだろうか…。