「わたくしが一言指示すれば、簡単にあなた様の女王様は一生分の傷を背負わせられます」 客観的に見て愛嬌のある可愛らしいこの子が黒く笑う姿は恐ろしく、脅す言葉は冷たい。 「これから千鳥様が大事にする人は誰ですか? さぁ、お答え下さいな」 何故、どうして。 「……君が千湖に何もしない限り、僕は君の傍に居るよ」 「悳です。 名前を呼んで?」 「……悳の傍に居る」 胸が苦しい。 君を抱き締めたい。 ――…そんな資格もないのに。