…――――昔々あるところに、 姫菜と言う名のお姫様がおりました。 姫様は一人娘で病弱ということで、それはそれは、大事に育たれました。 可愛がられ、甘やかされて育ちましたが、決して我が儘な子には育ちませんでした。 親切で、他人思いな心、優しい子に育ったのです。 ですが、姫様には悩みがあったのです。 『お外に出て、お友達と自由に遊びたい……』 病弱な姫様はいつもベッドの上。遊び盛りな5才には、苦痛と退屈でしか無かったのです。 5才ながらそんなことを思っていたのです。