「優美~!!」


バカでかい声。
キーンと耳に響く。
この感じは花音?!

振り向くと人ごみに押しつぶされている花音の姿があった。


「花音!!もう、始まるよ」

「優美、ちょ・・・まっ」


花音が無理やりあたしの隣に来たと同時に
有間くんのお兄さんと賢哉くんがが入ってきた。
そして、
少し遅れて有間くんが入ってきた。


「こんばんは。speakです。
俺たちは客を引き寄せるspeakを持ってます」


と言って、
演奏が始まった。

有間くんのお兄さんの
叩くドラムの音から始まり

健也くんの
胸に響くベースの低温

有間くんの
とろけそうな甘い声。


このspeakに
あたしはもうすでにハマっていた。