先生の心臓の音が聞えるんじゃないかと思うくらい、先生は強く抱きしめてくれた。


私は思わず、

先生と自分の間に手を挟み、距離をとる。



先までのパニックだったアタマは、

今、

別のことでパニックになりそうになる。




「せ、、、先生、、。」

「ーん・・・?」


私の声に先生は少し腕の力を緩めた。


「あ、いや、、ごめん。
 震えてたから・・・。」

「・・・。」


先生は私から腕を離し、一歩後ろへと下がった。

そして、

優しく私に問いかける。


「・・・ペアになる相手が居ないから、行きたくないっ?」


ゆっくりと頷く私。


「じゃ、、オレがペアになってやるよ。毎日は無理だけどさ、会議がない時は必ず部活に行くから。」

「・・・だけど、、」

「んー?だけど?
 ・・・・・矢部の目が気になるかっ?」


そう言って、先生は手前にあったイスを取り出しながら、苦笑いをした。



先生の姿を見ながら、

私の瞳からは、

自分が情けなくって、

悔しくって、

涙が溢れ出していた・・・。