10月末。
情報処理の授業の合間に配られた、次の検定の申し込み用紙を記入している時、


「・・・せ、先生ッ!!」


私は動いた―。



私の声に少し驚いた顔で、


「葵、どうした?」


先生は聞いてきた。



「あの、、私。
 情報処理2級だけじゃなくて、1級も受けたいんです・・けど。」

「「「えぇーー?!」」」


私の言葉に、クラスメイトがどよめく。



「受けたい・・・って。
 でも、お前簿記の1級の検定もあるだろう?それに商業経済も・・・。」

「分かってます。
 それでも、独学でもいいから、チャレンジしてみたいんです。」


私の突然の発言に、

先生は少し悩んでから、返事をくれた。


「・・・分かった。 俺も出来るだけ協力する。」

「あ、ありがとうございますッ!!」


・・・もちろん、1級なんて勉強したことない。

一年の途中から、情報処理は100点以外取ったことが無かったけど、それはあくまで2級のレベルであって、2級と1級にはレベルにかなりの差がありすぎた。


だけど、

この理由をつけて

私は先生に堂々と逢いにいける。