「さっき良かったな。」

「んっ?」

「いや、矢部と話してただろう?」

「あ、見てたんだ。」

「あぁ。」

「うん。嬉しかった。」

「元に戻れそうかっ?」

「うーん。。。
 正直、今日のアレだけでは微妙というか、分からない・・・。」

「・・・そっか。無理はすんなよ。」

「う、うんっ!」

「あと、、、。
 もう一つも、・・・良かったなっ!」


部室の前を通り抜け、食堂が見えた時、先生はもう一つの見てたことを話し出す・・・。


「・・え?」

「ごめん。さっき見るつもりはなかったんだけど、見てしまった。
 ・・・1組の沢田だっけ?学年トップの。 沢田と話してたよな、、、食堂の前で。」


私は鳥肌が立った。




「み、、見た・・だけ?
 ・・・良かった・・って、・・・聞いてた・・の・・?」


私の歩く早さがスピードダウンした。声まで動揺が隠せず震えてるのに、先生はそれに気付かず、返事を返してくる。


「ごめんなー。 聞くつもりはなかったんだよ。ホント。
 アイツ、カッコイイし、頭もいいんじゃモテるんだろうけど、ラッキーだったじゃん。」


先生の言葉に、完全に私の足が止まった時、


「ん? 葵?どうした?」


先生は振り返り、私の様子の変化に気付いた―。