「それは、おまえがいつも、俺より先に帰るからだろ?」
「もしかして……怒ってる?」
愛子の言葉に、思わずムッとする。
『愛子は日高を忘れていない』……ついさっき、そう思ったばかりなのに。
やっぱり、心のどこかで『愛子は俺の事を好きになってる』と思いたい自分が居た。
「なんで? だって、何も約束してないもん、図書室閉まったら帰るでしょ?」
「はぁ」
思わずため息が出てしまう。
やっぱり、愛子にとって俺は、その程度の存在なんだよなぁ……。
ガックリとうなだれた後、顔を上げ、愛子をジーッと見た。
俺が誤解していた愛子の反応って、なんだったんだろう?
俺の言葉に赤くなったり、ハニカんだり……。
単純に、言われ慣れない言葉に照れてただけ?

