「大地くん、ごか」 「はい! 俺にとっても大事な彼女なんで、任せて下さい!」 愛子が日高に訂正しようとしたのと、俺のセリフが被ってしまった。 今はまだ『彼女』ではないけど……俺にとっては大切な人だから、言っている事が全部嘘ではない。 「じゃぁ、またな、愛子ちゃん」 日高は俺の言葉を聞いて、安心した表情でそう言い残して、この場を離れて行った。 愛子がすぐに俺に反論してくるかと思ったけど、日高の方を向いたまま、ピクリとも動かなかった。 沈黙が続く。