回りの音なんて、聞こえなかった。 ただ、ずっと、頭の中に浮かぶのは……大地くん。 誰にも言えなかった私の初恋。 私の大好きな人は、プロのサッカー選手で……私の叔父さんだった。 隠していた気持ちに気付いたのは、剛だけ。 剛の存在が無かったら、私は今でも叶わない恋を続けていたかもしれない……。 「なぁ、愛子?」 剛が私の頭を撫でながら、優しく問い掛けてきた。 「ん?」 私はそう返事をするのが、精一杯だった。