スタンドからピッチを見ると、キックオフ直前で、みんなそれぞれのポジションについていた。
大地くん……。
いつもと変わらず、前だけ見ながらピッチに立っている大地くんの姿。
今日で、最後。
しっかり目と記憶に刻み込まないと……。
「ほらっ、愛子」
いつの間にか立ち止まっていた私の手を、剛がグイッと引っ張った。
「あっ、うん」
私は短く返事をしてから、チケットを見て自分達の座席へ向かった。
そして、ちょうど座席に辿り着き、座った瞬間。
ピーーー
キックオフのホイッスルが鳴った。
きっと一生忘れる事が出来ない90分が、始まった……。
☆ ☆ ☆

