ひとりで歩く帰り道は、いつもより長く感じた。
今まで目にも入らなかった街並みをぼんやり眺めながら、考えたのは今日までの自分。
あたしは悪くない。
あれは冗談だし、本気にした向こうが悪い。
“あたしたち、結衣のそういうところが大ッキライ!”
言い過ぎなのはそっちじゃん。あたしより奈美のほうがひどいよ。
その夜、家族みんなで食卓を囲んでいるとき、早々と食べ終えた弟の大輔が、食器を片付けた後に冷蔵庫を開けた。
「何、まだ飲んでんの?」
コップ一杯の牛乳を一気飲みした大輔を、クスクス笑う。
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