「全然きれいじゃないよぉ。今日は化粧してるから、ちょっとマシなだけ」
うちのお母さんは気楽に話せるタイプだから、いつも評判がいい。真由美ちゃんも気に入ってくれたみたい。
「え~、でも若いと思った。結衣ちゃんのお母さんって何歳なの?」
「んとね、確か……34」
「うわ、若い! うちのお母さん、40超えてるよぉ」
用意してもらった折りたたみ式のテーブルを組み立てて、あたしたちは数学の教科書を開く。
学校以外で会うのは初めてなのに、全然疲れない。もっと前から、真由美ちゃんと仲良くしてればよかった、なんて考えながらジュースを飲むあたし。
「真由美ちゃんって兄弟とかいるの?」
「うん、お姉ちゃんと妹。女ばっかなの」
「あぁ、だからお母さんの歳、40超えてるんだぁ」
シャーペンを持つだけ、のあたしたち。学校にいるときよりも楽しいって思うのは、あの子がいないからだと思う。
「うちも弟いるよ、中1でバスケ部」
学校でもふたりだといいのにな、なんてことまで思ってしまう。でも、そんなふうに考えるのは、あたしだけなんだよね。
「へぇ~、そうなんだ! 亜矢はね~、ひとりっ子だよ」



