窓の外は 大粒の雨が降り注いでいる。 梅雨の季節がきた。 「雨やだぁ~」 頬杖をつきながら 口を尖らせる由利ちゃん。 『本当だよ…洗濯物干せなくて困ってんだからぁ』 ため息混じりに 空に向かって文句を言った。 「何それっおばさんかっ!」 『え?』 由利ちゃんが私に 突っ込みを入れる。 だって… 洗濯物溜まってしょうがないよ… 全然女子高生らしくないセリフ。 自分でもたまに本業を忘れてしまうくらい。 教室の中を見渡せば 皆同じように浮かない顔をしている。 雨って嫌われ者だなぁ。