「待て!」


“バン”


そして後ろから時々聞こえてくる野太い男の声と銃声音。

奴らだ…――私達の後ろからは黒服に黒いサングラスといういかにも怪しい人が2、3人追いかけていた。

たまに飛んでくる罵声は聞き流し、銃弾を避けながら私たちは走っていた。


後少し……


ここまで来たら後は仲間との合流地点に向かうだけだ。

後この角を曲がって……その先にある隠れが……後もう少しだ。


そう思うと角の先には光のようなものが見えた気がした……



希望の光が……



けれど……


「ここで追いかけっこも終わりだ」


角を曲がるとそこには私の仲間たちはいなく、代わりに先回りしていたのか、私を追いかけている仲間らしき奴らがいた。

銀色の銃を握っていて、その銃口を私たちに向けていた。

銀色に光る拳銃が絶望の光のように感じた。


後ろばかり気にして、先回りされているなんて考えていなかった。


「もう逃がさない」


私たちを嘗め回すように見るとニヤリと気味の悪い笑いをした。