もし――― 翔ちゃんの進路が決まっていないなら、あたしが行ったら迷惑になる。


「そこは、心配しなくていいよ。 翔ちゃんは、ナツよりも早く進路を決めていたから」


「あっ…… そうなんだ」


知らなかった。 翔ちゃんはとっくに進路を決めていたんだ……。

あたしだけが遅かったんだ。


「25日でいい?」


「うん、25日でいいよ。 冬休みなんて毎日暇しているようなもんだから……」


あたしはゆっくりと、こたつから抜け出す。


「学校の宿題、やってくる。 ――― ご飯になったら呼んで」


なんだか、頭がこんがらがっている。

何がどうなっているのか――― わからない。


パタパタと階段を駆け上がり、自室に入る。


ドアに背中を預けた。


翔ちゃんは――― あたしより早く進路が決まっていた。

もしかしたら――― 翔ちゃんに会うことが出来るかもしれない。