「このコは中学の時の後輩、木崎羽那」


紹介されながら、春美さんと目が合って、挨拶をした。



「どうも、初めまして」

「初めまして。あなたが羽那ちやんね」


春美さんが、優しく笑う。



「え?」

「清クンからよく聞いてたの」


へ?


「春美さん!?」

先輩が慌てる。



「むっ、向こう行こう」

「ここでいいじゃない」


「いいからっ。じゃあな、木崎」


先輩は春美さんの手を引いて、ピアノの近くへ行った。


春美さん。
背が高くて、スラッとしてて。
おまけに、美人。


清先輩に、恋人がいたなんて、意外。


中学の時は、モテてたのに、なぜか誰とも付き合わなかったから。


でも、そりゃそうだよね。

もう23歳だし。
目覚めたんだ、ふーん。