「足長さんが、どうかしたんですか?」

私、慌てる。


「具合が悪いんですか?」

先輩に詰め寄る。



「いや、そうじゃない」

「違うんですか……」


その言葉に、ホッとするのもつかの間。



「木崎……。足長さんだけど、もう、病院(ここ)には居ないんだ――」


「!」

 意外な言葉が続いて、


「いない? ……どういう……?」


訳が分からず、聞き返す。



すると……。

信じられない言葉が返ってきた。



「記憶が戻ったんだ」



!!

耳を疑った。