あの日、読んだ小説。
確かに、感動的なラストだったよ?

でもね、よく考えてみたんだ。


もしも、天地がひっくり返って、私がそんな恋愛をする事になったら?


って……。



誤解……すれ違い……障害……。


それに……。


桂子ちゃんと佐伯くんのように、ようやく実っても、「終わり」がきたら?



とてもじゃないけど、耐えられないよ。



できれば、辛い恋は避けたい。
普通の恋が出来ればいい。


本気でそう思う。


――思ったのに。


そんな願いもむなしく。
私が出会った次の恋――。


本気の本気で苦しいよ……。


だけど、もう戻れない。



あなたに向かったこの心は、びっくりするくらいに頑固だから――。


そう簡単に、この想いを消せそうにないよ……。