『(正直、驚いた。ハナに出会って初めて、運命を信じるようになったんだ)』


「私も、ジュヨンさんに出会って、運命ってあるんだ……――って思いました」




『(今夜は月が綺麗だね)』


「本当だ……。満月だ――」



2人、遠く離れていても。

一緒に肩を並べて、見上げることが出来なくても。

同じ空の下、生きているんだ。


信じていれば、願いはきっと叶う日がくる。


胸を張って、そう言える。




「あのね、ジュヨンさん。私、3年間働いた本屋の仕事を辞めて、新しい仕事が決まったんです」


『(そう――。ハナは頑張り屋だから、きっと大丈夫だよ)』