ジナ……さん?
私は閉めかけていたドアを、もう一度開いた。


「!」


2人の様子がおかしい事に気づいた。



ジャン……――。
曲が終わった。


ポロン――……


「え――――?」


さっきと同じ曲。
ジュヨンさんは、また最初から弾き始めた。



この曲……。
今日のコンサートでの最後の曲……だよね?


ジュヨンさんの想いが詰まった曲――。

そして、私をここまで導いてくれた曲――。



「(私が悪かったわ。彼女きっと誤解してる……私のせいね……。だけど、大丈夫……何とかする。だからお願い、もうやめて……)」


ジナさんが泣きながら訴えている。



誤解……って――?

どくん、どくん。



「…………っ」

ガタンッ。
扉に体がぶつかって、中にその音が響いた。


「(あなたはっ――……)」

ジナさんが私に気づいた。