20分後――。


「良かった。間に合った」


市内の文化ホールの前で降ろされた。


「……どういう……事?」

車から降りずに、助手席の窓を開けた佐伯くんに聞いた。


すると。


「これ――……」


佐伯くんは、ダッシュボードから、白い封筒を取り出して、私の前に差し出した。



「何、これ――?」

訳も分からず受け取る。



「それ、市民病院に送られてきたらしい。木崎に渡して欲しいって」

「え――」


誰から?


「園部さん、今日は仕事だから、俺が代わりに」

「…………」

清先輩の……代わり?


あれ?
2人は知り合いだったの……?


でも、中学は別だったはず……。



あ、佐伯くんのお母さんが入院してたんだっけ。



「木崎、今まで本当にゴメンな。お前が桂子の親友で良かった」


突然、佐伯くんが言った。