妖精なアイツ



「…あ、気にすることないで、昔の話やから、今は…ほら、あの通り普通の友達やから」


幹は、あせった表情で美衣子とテルオを交互に指さした。


黙って2人を見つめていると、視線に気づいたテルオが、きょとんとした顔をして舞に近づいてくる。


「…どうしたん?泣きそうな顔さて…」


そう言って、舞の顔にそっと手のひらを当てた。


不安そうに、2人を見つめる幹と雪奈。


ポロリと一粒の涙が、舞の頬を伝っていく。


「え…?」


驚く彼の片手を勢いよく払い、舞は何も持たずマンションを飛び出した。


突然走り出す彼女に、周囲は慌てだす。