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一通り読み終わって、また放課後に図書室を訪れた。
この間は火曜日だったから、今日も火曜日。
またいるかな…。
ちょっとの期待を抱きながら、カウンターを見る。
そこにいたのはこの間の子とは違う、2つ結びの子だった。
いないか……。
肩を落としながら返却の手続きをする。
何か無愛想でムカッときた。
この間の子はいい子だったのに…。
「私ちょっと職員室に行ってくるから、頼んだわよ?」
「えー、私用があるから帰りたいんですけど」
「もう…じゃあ九条さん呼んできて」
「はーい」
九条さん?
……九条、乃亜のことか?
いや、あの人は図書室なんか来ないだろ。
一瞬美人で有名な子を想像したけどすぐに消した。
ホラー小説を借りようと思って本棚に近付く。
のんびりとした足音を立てて、さっきの子とともに歩いてきたのは
――この間の子だった。
「九条さん、私職員室に行きたいんだけどこの子帰るらしくって。ちょっとカウンター任せてもいい?」


