熱中症とかなったら大変だからね!
見慣れた背中を見つけて近寄る。
「斗真どーしたー?」
「あれ…山川さん、どうかしたの?」
そう話しかければ返ってきたのは冷ややかな目と疲れきった言葉だった。
いや、疲れきったって言うより気が抜けた感じ?
話を聞いたら俺たち救護係の出番だった。
けど二人三脚かぁ…あれって男女だしな。
他の人探す暇ないし、嫌だけどしょうがないか。
美華ちゃんがやるように進める。
渋られたけど斗真に任してその場を去った。
2人は言い合いしてたのに息ぴったりで、悔しかった。
「何よう、るみよりいい感じじゃーん」
同じようなゆったりした話し方だけど、無性にイライラした。
山川のせいじゃない……。
あのとき、美華ちゃん以外の人に頼めばよかった。
心底そう思った。


