あえぎながら…。



「殺して…。」



そう願った。



主の動きが止まる。



耳元により、あの声を響かせる。



「私の庭へ入ったら私のもの…。どうするかは私が決める。」



そして首筋にスッと傷をつけ口を寄せる。



「ジェード様…。お願いです。どうか…。私には何もない。助けていただき…どうか私を食べて…。殺して…。」




アズライトに捕まるくらいならここで果てたい。



「ジェードと呼べ…。」


「ジェード…。お願い…。」




朝日が出る。ジェードは人の姿…。




これが最期に見る姿…。



ジェードが近づく。彼の目を見た…。あの吸い込まれそうな闇の色を。





目を閉じた…。




でも痛みも何も来ない。




目を開ける。




ジェードの瞳は赤い…。顔が歪んでいる。怒りと苦しみが入り交じる。




「ジェード?」





「ここにいろ…。」




訳もわからず…。去って行く。




「ジェード!」




森はざわめいた。