――――――…………
 ――――――――…………




出会いは小さな会議室。

きっかけは引きずり続けた、過去の恋。

なくした影を追い求めるように求めた、偽りの恋。




だけどいつしか…
その恋は本物の恋に変わっていった。





ずるくて優しい君も
人間くさくて、汚い部分を持つ君も、
全部全部、君を彩る全てがいとしい。





高宮、俺は知らなかったよ。




こんなに人を恋しく想う日が来るなんて思いもしなかった。







「もう…離さないから覚悟しといて?」


「大丈夫。桐谷慎が離そうとしてもスッポンみたいに食いついて離れたりしてやんない。」


「…穏やかじゃないね。」


「当たり前でしょ?桐谷慎も覚悟しといて?
私、もう二度とあなたを離したりしないんだから。」







小さな教会の小さな、1室。

偶然にも必然にも似た再会を果たして、永遠にも似た、愛を誓い合う、俺達。





そんな俺達を横目に見ながら、藤堂たちはゆっくりと部屋を後にした。