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サンフランシスコ行きが明日と迫った、ある日の夜。





「藤堂くんのサンフランシスコでの活躍を祈って~~」




「「乾杯~~!!!!!!」」







俺、藤堂秀人は田中さん主催の広報部の送別会にやってきていた。





「藤堂~、お前がいないと寂しいよ~。」


「アハハ!!嬉しいです、田中課長。」


「そうですよ!!藤堂係長!!
係長がいなくなったら、俺たちはどうやって生きて行けばいいんですかぁ~(涙)」


「だーいじょうぶだって!!喜多川!!
お前、何だかんだで部長に気に入られてんだから!!」


「えぇーーっ!!!???」







嬉しいコトに俺の送別会に集まってくれたのは、桐谷部長を除く広報部全員。




もちろん…伊織の姿だってある。







「桐谷くんも残念がってたんだよ?“最後に藤堂に会いたかった”…って。」




そう言って、田中さんはハァとため息を吐く。






「なんか…よくわくないけど、上の人達大変そうッスもんね。」


「…うん。」






部長はこの2日間、本部で行われている役員会議に出ている為に広報部には全く顔を出さない。



会社に来てんだか来てないんだかもわかんねぇ。





何が起こってんのかはよくわかんねぇけど
そんな状態がこの2日間はずっと続いていて。




俺は部長に挨拶はおろか、顔を合わせてもいないんだ。