「育ち盛りなんだしたくさん食べなさいよー。それじゃいただきまーす」 「いただきます…」 そんな言葉を口にしたのだって何年振りだろうか。 一口二口と料理を口に運ぶ。 これが、家庭の味ってやつなのか…。 「どう?味付け、薄くなかった?」 「いや。完璧だけど」 「完璧?そんな大袈裟な…」 うるせーな。 俺ん中じゃ完璧が一番の褒め言葉だっつーのに。 「ふぅん。でもさ、完璧な料理ってないのよ?」 「は?」 「だって味覚は十人十色だもの。すべての人に合わせられる料理なんて作れないわ」